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タコライスと私 

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3週間くらい前から行ってみたかったカフェで、ロコは
今日はじめての食事をとろうとしています。
午後5時すぎ。しまった。
ここの、"ランチタイム"に来てみたかったんだった。いま気付いた。
ランチだとセットできっとお得なのになあ。
・・・でも今日は何も食べていないし、お金だって使ってない。うん、
なあんにも気にしないで好きなもの食べてしまおう。


「タコライスと、食後に、コーヒー。お願いします。」
タコライス大好き。高校生のとき、友達のお母さんがつくってくれてから。
タコが入ってると思ってた。「ランチはタコライスだから。」と聞いて。
タコのないタコ飯が理解できなくて、でも、スパイシーで食欲をそそって、
混乱したまま完食したな。
いまでもタコライスには、神聖な部分というか、単なるひき肉と、
白いご飯と、レタスと、トマト、以上のロマンを感じてる。
言うなれば、まだ見ぬタコの部分。っていうか、きっとずっと見ぬ、けど。


ロコはイヤホンで音楽を聴きながらタコライスを待っていた。
ほおづえをついて、机の木目を見つめていた。考えてたのは
これからわたし、「1日1食なんです」とか言う女になって
ぐんぐん華奢になっちゃおうかしら、とか、そんな下らないこと。


10分ほどすると、人の気配がしたので、早いけどタコライスかなあ、
なんて思って顔を上げた。
立っていたのはタコだった。



・・・信じられないかもしれないけど、一目惚れだった。



タコは、勝手に私の前の席に座った。一番右の足で椅子をひいてから。
ロコは冷静に「そういえば8本。」とか思っていた。


タコは赤紫だった。ぬめっていてなまめかしかった。そして饒舌だった。
「タコライスにタコが入ってると思ってたろ。
でも今日は違う。タコライスだと思ったらタコだったんだ。
今日は君のつじつまが合う日だよ。乾杯しよう。」



タコとロコの間にはいつのまにかグラスワインが置かれていた。
たぶん右から2番目の足で、タコはグラスを持ち上げた。
タコの、ロコを見つめるまっすぐなまなざしに、ロコはうっとりした。
タコはとどめを刺した。
「ずっと君をさがしていたんだ。きみが高校生だったときから。」



なに、これ。許せる。もうすでに受け止めているどころか、惚れてる。
だってこんな積極的なタコって、いる?



「ありがとう・・・っていうのかな、なんだろう
わたしもずっと探してたんだ。タ、タコのこと・・・」
呼び捨てでよかったのかな。なに話していいのかわからないや。どぎまぎする。


しかし、タコはロコのドギー&マギーなんてどうでもいいようだった。
「今日、徒歩でここまで来た。」
ロコの話を無視して、タコは自分の話を始めた。
「道路がすごく混んでた。でもロコを探しにきたんだよ。」
ロコはまた感動してしまった。


「徒歩だなんて大変だったでしょう?本当にありがとう。
でも、タコは、どうやって歩くの?8本ともつかうの?」
込み入ったことを聞いてしまっただろうか。少し後悔した。



「ロコのこと、なんでも知ってる。」タコはロコの質問には答えなかった。
ロコはすこし悲しいような気がしたけれど、ごまかした。



こんなにせつない気持ちははじめてだった。



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[ 2010/07/18 01:18 ] 未分類 | TB(0) | コメント(-)

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